2012年11月29日木曜日

【ドット絵】京浜急行電鉄2100形・新1000形

今日は、鉄道ドット絵シリーズの第2弾として
浜の赤いあんちくしょう」「路地裏の超特急」等の愛称(?)で親しまれる、京浜急行電鉄こと京急より2100形新1000形です。
京急2100形・新1000形






















ちなみに、ドットキャンバスサイズは32*32が基本となっており、それを3倍に拡大して投稿しています。

※これより車輌解説※
【京急2100形】
2100形は、それまで京急線内の花形である「快特」専用車両として活躍していた2000形の置き換えとして、1988年に登場した車輌。
新しい21世紀の船出をイメージした設計思想により、「21世紀」からこの形式名を付けられました。

営業最高速度120km/h、起動加速度3.5km/h/s。
片側2扉、座席転換式クロスシート構造(車端部は向かい合わせのボックスシート)で、主に京急本線~久里浜線を快特として走っており、
帰宅時間帯には乗車整理券式の優等列車「Wing号」として運用されている姿を見ることができます。
座席はノルウェー製、走行機器はドイツ・シーメンス社製GTO-VVVFインバータ(後述)を採用するなど、
海外製の部品を使用することでコストダウンを図っている他、カーテンには京都・西陣織を使用し高級感も演出。
様々な方向で新しい取り組みが行われている車輌なのです。
前面には白いワイパーカバーを装備し、高速運転でも機器を痛めつけないようになっています。
またカバーには形式名を切り抜いて表示しており、ひと目でその車輌だとわかります。
全面を赤い派手な塗装で塗り固め、窓付近を白い枠で覆う京急伝統の優等車スタイルを踏襲しており、まさに京急の代表選手といったところ。
先頭車端部には貫通扉を装備し、地下鉄線内(厳密には自社線の品川~泉岳寺間を含む)を走行できますが、
現時点での地下鉄線内に乗り入れた記録は存在しません。

さて、2100形最大の特徴といえるのが先述の「シーメンス製VVVFインバータ」です。
シーメンス(ジーメンス、SIEMENS)はドイツに本社を置く電気機器メーカーで、
日本では主に補聴器などを販売している会社です。
ですが、この会社の最大の商品は鉄道用走行機器であり、主として欧州諸国の鉄道に広く使われています。
日本では知名度がそれほど高くないこの会社ですが、
近年はリニア技術研究に力を入れており、日本国内のメーカーとの技術競争が勃発しています。
現状、日本の最大のライバルと言われる強敵です。
シーメンスは優れた走行機器類を製造する会社として知られており、その一つがVVVFインバータ制御装置(以降VVVF)です。

近代史における鉄道は、長い間騒音問題に悩まされていました。
そのひとつの答えとして、今日の鉄道では静音性に優れるVVVFが各所で使われていますが、
そのVVVFでさえ当初はノイズが激しく、技術者たちは如何に静音性を向上させるかに腐心したものでした。
しかしシーメンスの技術者たちは、逆転の発想で
「騒音はどんなに小さくしても無くならない。ならばいっそ不快でない音に変えたらどうだろうか」
…と考え、インバータから発生する音を意図的に調整し、なんと「ドレミ」調の音が出るようにしてしまいました。
この技術はシーメンス社の特許技術であり、
日本でもこの京急2100形のほか新1000形、JR東日本のE501系(日本初の装備車)などで採用されました。
実際には「ファ~ソラシ♭ドレミファソ~♪」という音程を発するようです。
鉄道ファンの間では、このインバータから出る音にちなんで「ドレミファインバーター」と呼ばれています。

なお、この京急2100形最大の特徴であるドレミファインバーターですが、
元々大陸向け、つまりほどほどに乾燥した土地向けの機器であったこと、
また円高の時代になり海外製製品のコストが嵩んでしまったことが原因となり、
車体更新や検査の時期に合わせて、国内製(東洋製VVVFインバータ)に換装が進んでいます。
そのため、近い将来この音は聴けなくなってしまうのです。
既に2100形は全10編成の内7編成で更新が完了しており(11/27現在)、残るシーメンスVVVFインバータ編成は僅かに3編成です。

2100形の内1編成(2157編成)が、京急の空港線をイメージした真っ青な塗装の
KEIKYU BLUE SKY TRAIN」として活躍中です(ただし、2100形は空港線に入れません)。

【新1000形】
新1000形は、長らく京急のオールラウンダーとして活躍した旧1000形、
そして老朽化が進んだ700形、800形の置き換え対象として2002年に登場した通勤型車両です。
片側3扉、セミクロスシート構造(車端部のボックスシート以外はロングシート)で、
2006年までに登場した1次~5次車は、2100形をそのまま3扉化したかのような外見を持っています。
その後、6次車以降は京急伝統の全面塗装を取りやめオールロングシート化、さらに初の軽量ステンレス車両になりました。
前面に貫通扉、ワイパーカバーに車形の切り込みを持ち、
また京急の優等列車にのみ許される赤塗装に白い枠取り(6次車以降は下部ラインに白帯が入っている)、
そして2100形で実績のあった海外製機器の導入(シーメンス製VVVFインバータ)などと、
京急の集大成ともいえる車輌です。
地下鉄線内、及び京成線内にも顔を出し、千葉・東京・神奈川を股にかける、名実ともに京急の顔です。
なお、4-5次車はシーメンス社のVVVFインバータ装置の内、
それまでのGTO-VVVFインバータ装置に変わって、更に静音性や駆動に優れるIGBF-VVVFインバータ装置を搭載しました。

1次~5次車は、まさに2100形のマイナーチェンジ車輌でしたが、6次車以降はもはや別形式といっても過言ではない車輌です。
JR東日本などで低コスト化の実績があった軽量ステンレス車体を京急としては初めて導入し、
それまで伝統であった全面塗装も「環境への配慮と低コスト化のため」に廃止。
また2100形の更新に伴い、シーメンス製VVVFインバータ制御装置は搭載されず、国内製インバータ装置が搭載されました。
更に、4両固定編成(4コテ)は全車両電動車(4M0T)となっており、非常に強力な出力を誇ります。

2004年には、羽田空港第2ビル開業を記念して、スカイブルーを基調とした塗装を身にまとった新1000形2次車2編成が登場。
この塗装は1年間で終了しましたが、のちのKEIKYU BLUE SKY TRAINに青色が継承されました。

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